時々、患者さんから『私の姿勢って、友達から綺麗な姿勢ねっていわれるんです』と言われます。
その方は、確かに『綺麗な姿勢』をしているんですよ。
でも『腰痛』や『肩こり』の痛みの相談をするんですね。
痛みが発生しているのは、筋肉に負担をかける姿勢をしているから。
『綺麗な姿勢』を話す方は決まって、過去に『バレエ』『剣道』『弓道』『社交ダンス』等々・・・
『姿勢が大切』と指導される『何か』を経験しています。
では、この『綺麗な姿勢』って採点者、審判へのアピール的要素も含まれています。
そんな『見た目』や『型』を意識して生活していると、生活習慣として姿勢が固定化してきます。
私は、人間は元々、自然界に生きていた動物ですから『姿勢も自然であるべき』だと考えています。
自然界の動物って『真っ直ぐな背筋』って、ありえないんですよ。
近年女性に多いのが『平背』と呼ばれる『綺麗な??姿勢』
へいはい、ひらせ、フラットバック等、色々な呼ばれ方があります。
生まれたばかりの赤ちゃんが『うつ伏せ』『はいはい』『直立』と、姿勢の変化をすると同時に、
『生理的湾曲』と呼ばれる『背骨のS字カーブ』が作られていきます。
この『S字カーブ』の役割は、体を曲げ伸ばしする時に「しなり」や、頭部からの重量を「ばね」の役目をして分散します。
『自然な姿勢』とは、動物本来の『曲がり』や『しなり』がある姿勢になります。
一方、綺麗な姿勢と言われる『平背』では、首から腰までが『棒』のようにまっすぐです。
この『棒状の姿勢』では「しなり」が少ないため、首や腰に大きな負担が生じます。
最近では『ぎっくり腰』の大半が、この姿勢で生活している人が増えています。
気になる方は、布団にうつ伏せに寝て、家族等に背骨を触ってもらいましょう。
通常は背中に盛り上がりがありますが、腰まで真っ直ぐになっているようなら要注意!
施術では、硬くなった背骨の関節をほぐして、徐々に柔らかくしていきます。
そして正しいS字カーブを作ってから、自然に体重でなじませる方法を用います。
背骨のカーブが自然だと、腰痛、肩こり、背中の痛み、膝裏が突っ張る感じが気にならない身体になります。
40代から痛みと仲良くなるのも良いですが、お友達にしないのも一つの選択肢です。